ホリスティックメディカルクリニック

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異なることの狭間について考える。

投稿日:2020年6月24日

2020年2月下旬、葉山にある本田院長宅にて。

インタビュアー:渡部忠
回答:本田秀佳(ホリスティック・メディカル・クリニック院長)

新型コロナウイルスの集団感染について、日本でも大型クルーズ船の情報が毎日流れています。
本田
そうですね。
直近(※取材は2020年2月23日)では、感染対策のための災害派遣医療チーム(DMAT)の一員として乗船した岩田教授と高山医師の主張の相違点を巡って、議論がされていますね。同じ感染症内科でも、人によって対応が異なるというところに注目していました。
人の行動は、知識ではなく、自分がなにをよしとするか、なにを大事にするかのほうが、影響を及ぼすのだと感じました。

議論になっている発表をした岩田教授は、現場で実際に診られた結果、クルーズ船内が感染にとってリスクの高い環境下にあると伝えることが今必要だと思い、一連の発表をされたと思いますし、それ相当な覚悟だったと思います。最悪、仕事をなくす覚悟でやられていると思います。
もう一方の高山医師は、混乱を避けたり、乗船している皆さんを安心させることや、現在進めている感染対策が滞りなく進行することをとても大事にされている印象でした。

やるべき対策や現状の評価は同じようなのに、それをどうしたらできるのかの考え方が違ったという点で、難しい話でしたね。
本田
難しいですよね。同じ意識を持っている人でも提言する内容が異なるし、こうだと言うときにそこでぶつかるじゃないですか。「それはちがう」「それはこうだ」となって、まとまった行動に結びつきにくくなる。そこに、今の社会がなかなかうまくいかない原因もあるのだろうと感じました。
今私たちは、知識というより、異なる意見だったり、よしとするものが異なる人たちが、どうやって同じ目標にむかって、協調・協力しながら進むのかという手法を学ぶ必要があると思います。

新型コロナウイルスも、そういう意味でも大変なことだろうと思っています。
それは、感染したら即死んでしまうという話ではなく、知らない間に多くの人が保有者になっていく。弱い人は亡くなってしまうのですが、発症しない人も、もしかすると、ヘルペスウイルスや水疱瘡ウイルスのように、ずっと神経細胞に潜んでいて、宿主の免疫力が落ちると出てくるような振る舞いをするようだったら、リスクを背負いながら生きることになる。そうだとしたら、そこに対するアプローチを考えなければ、と思っています。

そういったアプローチというのは、実際にどうするのですか?
本田
西洋医学的な考え方だと、抗ウイルス薬を、という話になるんですけど、エイズウイルスでも漢方で治ったという人とか、特殊なハーブで治ったという人もいますから、私の思考としては、そちら側なので、そういう手段を考える必要があるという気がします。人間の免疫力を上げる、という方向性ですね。
先生のクリニックにも、実際に新型コロナウイルス対象者は来院されますか?
本田
濃厚接触者の方は見えないですね。その恐れが高い方、中国に行っていた方などは、受診はしないようにとなっているので診れないですが、風邪症状の人はたくさん来院されるので、潜んでいてもわからないんです。
見た目は風邪なので、現時点で風邪症状以外で見分けるとなると、濃厚接触者かそうでないかしかないんですね。これだけ普通に感染経路が特定できない状態になってきていますから、判断は難しいです。
イベントもいろいろ中止になっていますね。
本田
そうですね。常識的な判断だと思います。
そこでまた、私の中でざわつくものがあるんですが、スピリチュアル的な発言をする人たちは、「思ったことが現実化するから恐れてはいけない」という意味合いのことを言ったりします。自分たちはそういうものと関係ない、新型コロナウイルスが怖い、という方向に意識を向けない、違う波動の世界で生きていればそういうものは関係ない、という姿勢の人もいます。
ただ、常識的な判断というのは、どうやって防ぎましょう、かからないようにしましょう、ということなので、そこの狭間にいるのが私です。一体全体、そこのところは実際はどうなんだろうといつも考えています。
先生自身も、そういった意味では患者さんを導きずらい?
本田
自分自身がスピリチュアル的な発言にざわつくということは、現時点で、私はそういう考え方がまったくないと思っていないことは確かですが、こちらの常識的な判断から見て、ウイルスと結びつくところにいるなら、結びつかないほうにいた方がいいだろうと。
ただし、いつも思いますね。自分がどうなんだろう、患者さんがどうなんだろうというところは…。